冷凍野菜は栄養が落ちる?管理栄養士が生野菜と比較して解説
「冷凍野菜って、生の野菜より栄養が少ないんじゃない?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
冷凍野菜は、必要な分だけ使えて長期保存もしやすく、忙しい日の料理にはとても便利です。
一方で、「冷凍すると栄養がなくなる」というイメージを持っている人も少なくありません!
そこで今回は、管理栄養士の視点から、生の野菜と冷凍野菜の栄養価を比較してみました。
結論:冷凍したからといって、野菜の栄養がなくなるわけではありません
冷凍食品は、一般的に原料となる野菜を下処理してから冷凍します。
そのため、冷凍する前の下処理や加熱、保存方法などによって栄養価は変化します。
また、家庭で生野菜を購入した場合も、購入してから冷蔵庫で長期間保存すれば、栄養素が変化することがあります。
つまり、
「生だから栄養が多い」
「冷凍だから栄養が少ない」
と単純に考えることはできません。
実際に、文部科学省の「日本食品標準成分表」では、冷凍した野菜についても栄養成分が掲載されています。
では、実際に生と冷凍でどのくらい違うのでしょうか?
生野菜と冷凍野菜の栄養価を比較してみた
今回は、文部科学省の食品成分データベースなどを参考に、生と冷凍の野菜を比較してみます。
ただし、食品成分表の数値を単純に「冷凍によって増えた・減った」と考えてはいけません。
生と冷凍では、原料の品種や産地、収穫時期、加工方法、水分量などの条件が異なる場合があります。
そのため、以下の数字は「生と冷凍ではどのような違いがあるのかを見る目安」として紹介します。
| 野菜 | 状態 | エネルギー | たんぱく質 | 食物繊維 | β-カロテン | ビタミンC |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ほうれん草 | 生 | 18 kcal | 2.2 g | 2.8 g | 4200 μg | 35 mg |
| ほうれん草 | 冷凍 | 22 kcal | 2.9 g | 3.3 g | 4700 μg | 19 mg |
| かぼちゃ | 生 | 78 kcal | 1.9 g | 3.5 g | 2500 μg | 43 mg |
| かぼちゃ | 冷凍 | 75 kcal | 2.2 g | 4.2 g | 3700 μg | 34 mg |
| にんじん | 生(皮つき) | 35 kcal | 0.7 g | 2.8 g | 6900 μg | 6 mg |
| にんじん | 冷凍 | 30 kcal | 0.8 g | 4.1 g | 9100 μg | 4 mg |
| えだまめ | 生 | 125 kcal | 11.7 g | 5.0 g | 290 μg | 27 mg |
| えだまめ | 冷凍 | 143 kcal | 13.0 g | 7.3 g | 170 μg | 27 mg |
| スイートコーン | 生 | 89 kcal | 3.6 g | 3.0 g | 73 μg | 8 mg |
| スイートコーン | 冷凍 | 91 kcal | 2.9 g | 4.8 g | 39 μg | 8 mg |
ほうれん草
ほうれん草は、冷凍野菜としてもよく利用される野菜です。
冷凍ほうれん草は、100gあたりエネルギー22kcal、たんぱく質2.9g、食物繊維3.3gなどが含まれています。
一方、生のほうれん草は100gあたり18kcal、たんぱく質2.2gとなっています。
このように、冷凍だからすべての栄養素が少なくなるわけではありません。
ほうれん草は、忙しい人なら冷凍を積極的に利用してもよい野菜の一つです。
特に、味噌汁、炒め物、パスタ、卵料理などに少量ずつ使えるのが便利です。
かぼちゃ
かぼちゃも冷凍との相性が良い野菜です。
冷凍かぼちゃは、100gあたり75kcal、たんぱく質2.2gなどが含まれています。
かぼちゃは切るのが少し大変な野菜ですが、冷凍品なら必要な量だけ取り出して使えます。
かぼちゃは「栄養」だけでなく「使いやすさ」の面でも冷凍品が便利な野菜と言えるでしょう。
煮物だけでなく、電子レンジで加熱してサラダやスープにするのもおすすめです。
にんじん
にんじんも冷凍野菜として利用できます。
にんじんに多く含まれるβ-カロテンについては、冷凍品のほうが高い値となっている例もあります。
にんじんは生・冷凍のどちらか一方に決めるより、料理によって使い分けるのがおすすめです。
えだまめ
えだまめは、冷凍食品としても非常に使いやすい野菜です。
生(ゆで)と冷凍を比較すると、冷凍のほうがたんぱく質やエネルギーなどの値が高い結果になっています。
冷凍えだまめは、そのまま解凍して食べたり、サラダ、炒め物、スープなどにも使えます。
また、えだまめは皮が予め剥かれて売られているものもあるため、剥く手間を省きたい場合にもおすすめです。
グリンピース・スイートコーン
グリンピースやスイートコーンについても、生(ゆで)と冷凍で栄養価に違いがあります。
ただし、エネルギーやたんぱく質などの値が多少違うものの、冷凍品だから極端に栄養価が低いという結果ではありません。
このように見ていくと、
「冷凍野菜=栄養がない」
というイメージは、少し違うことが分かります。
結局、生野菜と冷凍野菜はどっちがおすすめ?
ここまで比較すると、
「じゃあ結局、生と冷凍どっちを買えばいいの?」
と思いますよね。
僕のおすすめは、どちらか一方に決めるのではなく、野菜によって使い分けることです。
生野菜がおすすめな場合
- 生で食べたい
- 食感を楽しみたい
- サラダにしたい
- その日に使う予定がある
- 野菜の種類を自由に選びたい
例えば、トマトやきゅうり、レタスなどは、生の食感を楽しみたい料理に向いています。
冷凍野菜がおすすめな場合
- 野菜を使い切れない
- 忙しくて料理する時間が少ない
- 包丁で切る手間を減らしたい
- 少量だけ使いたい
- 野菜を常備しておきたい
特に、「野菜を買っても余らせてしまう」という人には冷凍野菜がおすすめです。
せっかく生野菜を買っても、冷蔵庫の中で傷ませてしまえば、結果的に食べられる量は減ってしまいます。
「生野菜を買うけど使い切れない」という人なら、冷凍野菜を上手に取り入れることで、野菜を食べる機会を増やせるかもしれません。
さらに、近年は物価高騰により生野菜を買うよりも冷凍野菜を買った方が安く買えたりするため、買い物に行った際は両方を比較してみるのも良いですね。
冷凍野菜を調理するときに注意したいこと
冷凍野菜を使うときに、もう一つ気をつけたいのが調理方法です。
せっかく野菜を食べるなら、調理による栄養素の流出もできるだけ抑えたいですよね。
① 長時間ゆですぎない
野菜に含まれる水溶性の栄養素は、ゆでることで水に溶け出すことがあります。
そのため、冷凍野菜を長時間ゆで続けるよりも、電子レンジで加熱したり、スープや味噌汁など汁ごと食べられる料理に使ったりするのも一つの方法です。
② 電子レンジを上手に利用する
冷凍野菜は電子レンジとの相性も抜群。
必要な分だけ取り出して加熱できるため、調理時間を短縮できます。
「野菜を食べたいけど料理するのが面倒」という日こそ、冷凍野菜を活用してみましょう。
③ 冷凍野菜を何度も解凍・再冷凍しない
一度解凍したものを再び冷凍すると、品質が変化しやすくなります。
使う分だけ取り出し、残りはなるべく冷凍状態を保つようにしましょう。
管理栄養士としておすすめしたい冷凍野菜の使い方
個人的におすすめしたいのは、
「冷凍庫に2〜3種類の野菜を常備しておくこと」
です。
例えば、
- 冷凍ブロッコリー
- 冷凍ほうれん草
- 冷凍かぼちゃ
など。
ここに卵、豆腐、納豆、肉や魚などのたんぱく質食品を組み合わせれば、忙しい日でも食事を作りやすくなります。
例えば、
冷凍ほうれん草+卵 → 卵炒め
冷凍ブロッコリー+ツナ → サラダ
冷凍かぼちゃ+牛乳 → かぼちゃスープ
のように、冷凍野菜は「料理を楽にするためのアイテム」として使うのがおすすめです。
冷凍野菜を使うなら、こんなアイテムも便利
冷凍野菜を活用するなら、冷凍保存用の容器や電子レンジ対応の保存容器を用意しておくと便利です。
特に、
- 電子レンジ対応
- 冷凍対応
- 洗いやすい
- そのまま食卓に出せる
といったものを選ぶと、調理から保存まで使いやすくなります。
▼冷凍保存に便利なアイテムはこちら
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また、冷凍ブロッコリーや冷凍ほうれん草など、普段から使いやすい冷凍野菜をいくつか常備しておくのもおすすめです。
▼使いやすい冷凍野菜をチェックする
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まとめ
今回は、冷凍野菜の栄養について、生野菜との違いを比較してみました。
冷凍すると栄養がすべてなくなるわけではありません。
また、生野菜と冷凍野菜では、栄養価だけでなく「使いやすさ」や「保存性」にも大きな違いがあります。
大切なのは、
「生野菜じゃなきゃダメ」ではなく、自分の生活に合わせて上手に使い分けること。
生野菜を毎回使い切るのが難しい人なら、冷凍野菜を取り入れることで、野菜を食べる機会を増やせます。
参考資料
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース
※食品の栄養成分は、品種、産地、収穫時期、加工・調理方法などによって変動します。この記事では、食品成分データベースに掲載されている値を参考にしています。
