揚げ物をサクサクにする方法!衣の順番・食材別の適温・揚げる順番を管理栄養士が解説
唐揚げや天ぷら、とんかつを作ったのに、衣がベチャッとしてしまった。揚げた直後はサクサクだったのに、食べるころにはしんなりしている。そんな経験はありませんか?
揚げ物をサクサクに仕上げるには、油の温度だけでなく、衣のつけ方や食材を入れる量、揚げた後の置き方も重要です。さらに、野菜や魚介類、肉類では適した温度が異なり、複数の食材を揚げる場合は順番にもコツがあります。
この記事では、揚げ物がベチャベチャになる原因から、衣をつける正しい順番、食材別の適温、揚げる順番、冷めた揚げ物をサクサクに戻す方法まで紹介します。
揚げ物がベチャベチャになる原因4選
揚げ物がしんなりする主な原因は、衣に水分が残ったり、食材から出た蒸気が衣にこもったりすることです。
1. 油の温度が低すぎる
油の温度が低いと、衣の水分が抜けるのに時間がかかり、油っぽい仕上がりになりやすくなります。また、食材を一度にたくさん入れると油の温度が下がるため、適温に戻るまで時間がかかることもあります。反対に、油の温度が高すぎると、表面だけが先に色づき、中まで火が通る前に焦げてしまう場合があります。大切なのは、食材に合った温度を保つことです。
2. 衣をつける前に水分が残っている
食材の表面に水分が多く残っていると、衣が均一につきにくくなったり、油に入れたときに油がはねたりする原因になります。特に、洗った野菜や魚・鶏肉・冷凍食材などは、表面に水分が残っている場合があるため、キッチンペーパーなどで余分な水分を拭き取ってから衣をつけるのがおすすめです。
3. 衣が厚すぎる
衣を厚くつけすぎると、内側に水分が残りやすくなり、重たい食感になることがあります。
天ぷらの場合は、衣を混ぜすぎないこともポイントです。小麦粉を水と混ぜすぎるとグルテンが形成され、粘りが出やすくなります。そのため、たんぱく質含量の少ない薄力粉を使い、粉っぽさが少し残る程度にさっくり混ぜると、軽い衣に仕上げやすくなります。
4. 揚げた後に蒸れている
揚げた直後の食材からは水蒸気が出ています。
お皿に重ねて置いたり、熱いうちにフタをしたりすると、蒸気がこもって衣がしんなりしやすくなります。揚げた後は網の上に重ならないように並べ、蒸気を逃がしましょう!
揚げ物の衣の付ける順番
衣のつけ方は、揚げ物の種類によって異なります。まずは基本の順番を覚えておきましょう。
とんかつ・エビフライ:小麦粉 → 溶き卵 → パン粉
とんかつやエビフライなどのフライ料理は、基本的に小麦粉、溶き卵、パン粉の順番で衣をつけます。小麦粉が食材の表面を覆い、卵がパン粉をつけるための接着役になってくれます。
サクサクに仕上げるポイント
- ・小麦粉は薄くまぶし、余分な粉を落とす
- ・卵は食材全体に均一につける
- ・パン粉は押しつけすぎず、全体につける
- ・衣をつけた後、長時間放置しない
・小麦粉が厚く残っていると、卵やパン粉が均一につきにくくなるため注意しましょう。
唐揚げ:下味 → 余分な水分を切る → 粉
唐揚げは、下味をつけた鶏肉に片栗粉や小麦粉などをまぶします。粉をつける前に、表面にたまった余分な漬け汁を切るのがポイントです。片栗粉を多めに使うと、カリッとした食感に仕上がりやすく、小麦粉を使うと比較的しっかりした衣になります。両方を組み合わせる方法もあります。粉は揚げる直前につけ、衣がベタつかないうちに油へ入れましょう。
天ぷら:水分を拭く → 必要に応じて打ち粉 → 衣
天ぷらは、食材の表面の水分を拭き取ってから衣をつけます。食材によっては薄く打ち粉をしておくと、衣が密着しやすくなります。衣は薄力粉と冷水を使い、混ぜすぎないようにしましょう。
食材別!揚げ物の適切な油温一覧
揚げ物をサクサクにするには、食材に合った油温で揚げることが大切です。
以下は家庭で調理するときの一般的な目安です。食材の大きさや衣の厚さ、レシピによって適温は変わります。
| 食材・料理 | 油温の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 大葉などの薄い葉物の天ぷら | 160〜170℃ | 短時間で揚げる |
| かぼちゃ・さつまいも | 170℃ | 厚さをそろえ、中まで火を通す |
| なす・ピーマン | 170℃前後 | 水分や厚みに合わせて調整 |
| エビ・白身魚の天ぷら | 170〜180℃ | 揚げすぎによる硬化に注意 |
| とんかつ | 170〜180℃ | 厚みに応じて中心まで加熱 |
| 唐揚げ | 170〜180℃ | 大きさに応じて加熱時間を調整 |
| コロッケ | 170〜180℃ | 冷凍品はパッケージの表示を優先 |
160〜170℃:水分を保ちながら揚げたい食材
薄い葉物や、じっくり火を通したい野菜などに使いやすい温度帯です。さつまいもやかぼちゃのように厚みがある食材は、表面だけが先に色づかないよう、温度と揚げ時間を調整しましょう。
170〜180℃:フライや唐揚げなどに使いやすい温度帯
とんかつや唐揚げ、魚介類のフライなどでよく使われる温度帯です。ただし、同じ料理でも食材の厚さや衣の種類によって適した条件は異なります。特に肉類は、表面がきつね色になっただけでは中心まで加熱できているとは限りません。必要な加熱時間を確保し、肉の中心まで十分に火を通しましょう。
油の温度を見分ける方法
温度計がない場合は、衣を少量落として様子を見る方法もあります。
- 低温:衣が沈み、ゆっくり浮かび上がる
- 中温:衣が途中まで沈んでから浮かび上がる
- 高温:衣が沈まず、すぐに表面付近に浮かぶ
ただし、この方法は衣の状態や大きさによって変わるため、正確な温度は分かりません。
失敗を減らしたい場合は、揚げ物用温度計を使うのがおすすめです。
複数の食材を揚げるとき、順番はどうする?
天ぷらやフライを何種類か作るときは、揚げる順番も大事です。
基本的には、植物性の食材から動物性の食材へと進めると、油の香りが移るのを抑えやすくなります。
例えば、天ぷらなら次のような順番が目安です。
- 野菜類→白身魚などの魚介類→エビやイカなどの魚介類→肉類や、においが強く出やすい食材
ただし、これは絶対的なルールではありません。食材の種類や油の状態、調理する量によって適切な順番は変わります。
温度の違いにも注意
低めの温度で揚げたい食材から始め、その後に高めの温度が必要な食材へ移ると、温度調整がしやすい場合があります。一方で、薄い葉物のように高温・短時間で仕上げる食材もあるため、温度だけで一律に順番を決めることはできません。
大切なのは、食材ごとの適温を確認し、油の温度を調整しながら揚げることです。
揚げ物をサクサクにする5つのコツ
1. 油の温度を適切に保つ
油の温度が下がると、衣が油を吸いやすくなり、重たい仕上がりになることがあります。食材を入れすぎず、温度が戻ってから次の食材を入れるようにしましょう。
2. 食材を一度に入れすぎない
1にも関連しますが、鍋に食材を詰め込みすぎると、温度が下がりやすくなります。少量ずつ揚げることで、温度を保ちやすくなり、食材同士がくっつくのも防ぎやすくなります。
3. 衣を厚くしすぎない
フライの小麦粉は薄くまぶし、天ぷらの衣は混ぜすぎないようにします。食材に合った衣のつけ方を選ぶことで、食感を軽く仕上げやすくなります。
4. 揚げた後は網の上で油を切る
揚げた食材は、網の上に重ならないように並べましょう。網を使うと食材の下側にも空気が通り、余分な油と蒸気を逃がしやすくなります。キッチンペーパーを使う場合は、長時間密着させず、蒸気がこもらないようにしましょう。
5. 唐揚げは二度揚げを試す
唐揚げをカリッと仕上げたいときは、二度揚げも選択肢のひとつです。一度目で中心まで火を通し、いったん取り出して休ませた後、短時間、高めの温度で表面を仕上げます。
冷めた揚げ物をサクサクに戻す方法
買ってきた惣菜や、余った唐揚げなどを温め直すなら、オーブントースターが便利です。電子レンジだけでは衣がしんなりしやすい一方、トースターは表面を加熱して水分を飛ばしやすいため、食感を戻しやすくなります。
揚げ物をもっと上手に作るためのおすすめ道具
揚げ物用温度計
油温を目で見て判断するのが難しい場合に役立ちます。温度を確認しながら調理できるため、唐揚げや天ぷらをよく作る人におすすめです。
油切り網・バット
揚げた食材を重ねずに置くための道具です。バットと網がセットになったものなら、油切りから盛り付け前の一時置きまで使いやすくなります。
オーブントースター
揚げ物の温め直しに活用できます。新しく購入する必要はありませんが、買い替えを検討するなら、温度調節のしやすさや庫内の広さなどを比較して選びましょう。
まとめ:揚げ物は衣・温度・揚げた後の扱いで変わる
揚げ物をサクサクに仕上げるには、油の温度だけでなく、衣をつける順番や食材を入れる量、揚げた後の置き方も大切です。
今回のポイントを振り返りましょう。
- ・とんかつ・フライは「小麦粉→卵→パン粉」
- ・唐揚げは余分な水分を切ってから粉をつける
- ・天ぷらは水分を拭き、衣を混ぜすぎない
- ・食材に合った油温を選ぶ
- ・複数の食材は香りや適温を考慮して揚げる
- ・揚げた後は網の上で蒸気を逃がす
- ・冷めた揚げ物はトースターで温め直す
特に、油の温度と揚げた後の置き方は、いつもの調理で見直しやすいポイントです。次に揚げ物を作るときは、まず温度を確認し、揚げた後は網の上に並べるところから試してみてください。
